カテゴリ:B40ES日記( 42 )

Alternatorその後

前回のローター交換で発生した謎の失火。事前にタイミングライトを購入し、万全の体制で検証と修理に臨む。

失火の原因を探るとなれば、電気だけでなくキャブも疑わなくてはならない。榎本さんから混合気の薄さが原因ではないかという指摘を受け、自宅に戻ってからニードルの段数変更、メインジェット拡大など、何度かセッティングを換えながら試走するも、失火症状に直結するような変化は見られず。

しかし購入したタイミングライトを繋いでエンジンをかけてみると、失火時にストロボが明滅しない。つまりプラグコード自体にパルスが発生しておらず、失火の原因は燃焼室内の現象ではなく、完全に電気が原因という切り分けが修理前の検証で可能になった。

ここまでくればあとは電装系の再チェックしか無い。最悪元のローターに戻すしか手は無いか…… と思いつつ、オルタネーターを露出させるためにオイルを抜きプライマリーカバーを外すと、ポトリと小さな金属片がケース内に落ちてきた。薄く切ったカマボコのような半月形の金属片、なんとローターをクランクシャフトに固定するためのキー。つまり前回ローターを換装したときのキーのハメ合いが悪く(弱く?)キーが外れてしまっていたという、とんだヒューマンエラー。ダサすぎる…… 相談した皆さんごめんなさい……

クランクシャフトと完全同期で供回りしないといけないローターが、回転負荷をかけるとクランクシャフトの回転についていけず座標のズレが発生していたらしい。エナジートランスファーの場合、本来ポイントの点火タイミングに合わせてステーターの鉄芯前をローターの磁石が通過し電気を発生させるわけだが、そのタイミングがズレれば、当然イグニッションコイルからスパークプラグに高電圧の電流は流れない。

再度念入りにキーとローターを装着、ナットに高強度のロックタイトを塗ってクランクシャフトに締め込む。落ち着いてエンジンをかけてみると…… 失火すること無くエンジンが回る!

今回は作業者である僕の単純なミスだが、幸いだったのはロックの外れたローターが暴れて、ステーターやクランクシャフトなどの最重要パーツを破壊しなかったことか。さらに副作用として、遅角側に進角を振ると何故か発電タイミングのズレに対して鈍感になる、というデータも得ることが出来た。理屈はサッパリ解らないけど。

せっかくプライマリーを開けたのでついでに点火系を総点検。ポイントをペーパーでならしギャップを0.15インチ(約0.38mm)に調整。コンタクトブレーカーハウジング内のコードの取り回しも整理する。ガバナーも取り外し分解清掃、高粘度のルブを差して動きが渋くないか動作チェック。タイミングライトで照らすと進角し始めるタイミングが若干早い気がしたので(つまりガバナーの羽が遠心力に負けて開き始めるタイミングが早い)、スプリングも新品に交換。スプリングはノートン純正のものだが巻き数や形状なども同じなのでほぼ互換パーツだろう。エンジン回転数に対する遠心力自体はどんなバイクだろうと同じなので、ガバナーの羽、ボブウェイトの重量で開くスピードをコントロールしているはず。最大進角も念入りに合わせてカバーを閉じ、エンジンオイルと同じ20-50のプライマリーオイル140ccを注ぐ。

ドキドキしながら試走してみると、失火は起こらない。無事に解決したようだ。

とりあえずこれで購入以来の電気・吸気系の問題、最悪の始動性とアイドリングのハチャメチャさは一応収束した。もちろん多少気になるところはあるが、これぐらいはトラブルというより個体の癖といえる程度の症状。なんとか普通に乗れる程度には調子が出ていると言っていいと思う。

機関や車体といった機械部分のヘタリは、比較的やればやるだけ良くなるという結果が伴う気がするので、まずは原因不明のトラブルで詰みやすい電気と吸気を直したかった。オーバーホール後にエンジンが全然かからないとかアイドリングが全然安定しなくて残念、というのは心がポッキリ折れるというか覇気を奪われるので。

今後は調整程度でしばらく乗って、やる気が充電できたら機関部オーバーホールに臨もうかと思う。もちろんトリニティーがあるうちに……

写真はハウジング内のガバナー。最大進角時のガバナー位置のメモとして。
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by motorshack | 2012-01-14 17:57 | B40ES日記

Triumph TR5MX

トリニティーの講師である根田さんの愛車、Triumph TR5MXと一緒にパチリ。トライアンフブランドで発売されたTR5は、グループ企業であるBSAのB50と中身も外装もほぼ一緒(たぶん)。

この日初めてTR5に乗せてもらったんだけど、カムに乗ってからのトルクと加速感は、基本設計が同じとはいえB40とは全く違う。B40の場合、単気筒らしい低回転からのトコトコ感を楽しめる余地がまだあるが、このTR5はノンビリ走りを楽しむといった性格のエンジンではないようだ。150ccの排気量の差だけではなく、カムプロフィールや圧縮比、二次減速比などの違いからだろうか、B40より遥かに豪快なバイクという印象を受けた。峠を走ったわけではないので車体のフィーリングまでは判らないけど、制動時のフロントの動きだけでもB40とは全く違う良さがある。

根田さんは僕が尊敬しているバイクの師匠(と、僕が勝手に思っている)。整備知識や運転技術にとどまらず、大げさに言うとバイク観というか、もしオートバイと付き合う人生観というものがあるなら、僕はかなりの影響を受けている。そもそも僕は他人の影響をあまり受けないほうだと思っているけど、この歳になってここまで影響を受けるとは思わなかった、というぐらい。一緒にツーリングに行ってもいいよ、と声をかけてもらったときは本当に嬉しかったな。
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by motorshack | 2012-01-14 17:55 | B40ES日記

Alternator

海外に注文していたルーカスのオルタネーターが届いたので連休に換装してみた。

取り付け前にステーターにローターを仮合わせしようと思ったら、ローターの外径がステーターの内径より一回り大きく入らない……

ネットで調べたところ、ルーカスのローターは時期によって直径70mmと74mmの2サイズあり、対応したステーターも前期の内径71mmと後期の75mmの2種類があるらしい(磁石と鉄芯のクリアランスはたぶん0.5mm?)。

エナジートランスファー用ならば全部同じだろうと微妙な品番違いで注文した僕が浅はかだった。しかしここまで深く突っ込んだ仕様になると、もはや誰にも聞くことが出来ないし、売っている連中も正直良くわかっていないと思う(品番の違いを指摘したときに「これでも大丈夫だよ!」とかメールに書いてたし)。まぁこれも勉強代ということで……

B40は後期型の74mmサイズが純正指定、僕の知る限り後期型のエナジートランスファー用ステーターはもうどこにも売っていない(一店だけトラカブ用と称してNOSを販売しているところを見つけたが、もうキッチリ裏を取るまで手を出さないつもり)。人の話では、ステーターの構造上、断線による完全終了以外は経年劣化しづらく、ローターは磁力の低下による経年劣化があるかも、とのこと。多少なりとも発電量の上がる可能性があるならばと、ローターだけでも換装することにした。

結果は良好。テスターでの計測値も電圧が上がり、体感的にもエンジンはよりかかりやすくなった。灯火類も明るくなった気がするし、ストップランプが点灯するレスポンスも良くなった(以前はペダルを踏んで0.5~1秒後に点灯というオカマ掘られても文句言えない状態)。

だが組み上げた直後の始動で、中回転域で謎の失火が発生。念のためコンタクトブレーカーのコンデンサーもあらかじめ用意しておいた新品に交換したが、それでも駄目。いくら頭をひねっても原因がさっぱり分からなかったが、ヤケクソでコンタクトブレーカーのプレートを遅角方向(BSAの場合トラとカムシャフトの回転方向が逆のため反時計回り)に回転させると何故か失火が収まった。

ローターを交換しただけで何故進角がズレたのかは謎。推論はふたつ。ひとつはローターに埋め込まれている磁石の位置が指定品番のローターと微妙に違い、発電タイミングがズレた(エナジートランスファーのガバナーのカムは極端に尖っており、点火タイミングが異常にシビアなことは間違いない)。ふたつめは元々ズレていたが、電圧・電流が強くなったことで進角のズレが露呈した。

正直ハッキリとした原因はわからないが、ガバナーのスプリングのヘタりを含め、いずれにせよ進角まわりは近々再チェックをしようと思う。

今回の作業で電装系はほぼリプレイスが完了した。始動性についてはこれがエナジートランスファー、オルタネーター点火のおそらく限界だろう。

写真は交換前の純正指定オルタネーター。品番はステーターがLU47173、ローターがLU554212006 (交換したローターは互換品のLU5420229)。
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by motorshack | 2012-01-10 17:51 | B40ES日記

Ignition Coil

キックが直ってさぁバリバリ乗るぞと思ってたら、水面下に隠れていた問題が急浮上。エンジンが冷えた状態での始動はともかく(これも相当かかりずらいけど)、エンジンが一度温まると極端にエンジンがかかりにくくなる、というか絶対かからない問題。根性で毎日の通勤の足に使っているが、給油のたびに家まで押して帰り、コンビニに寄るなどもってのほか。特にアイドリングが安定しない現在、ストールが目下最大の脅威という異常な状態。

これが原因と切り分けれられるような単純な問題ではなく、キャブや点火系、もしかしたら機関部も巻き込んだ複合的な原因による症状だと思うので、心当たりのあるところをひとつずつ丁寧に潰していくしかないと判断、これを今後のレストアの方針と決めた。一気に直しちゃうとどこが悪いのかも判らないままなので経験値も増えないし。

まずは入手しやすいイグニッションコイルから置き換えてみる。もちろんルーカス純正の3ETタイプは手に入らないが、海外の掲示板で古い日本車で使われているコイルが代用可能との情報を得る。

とりあえず藁をも掴む気持ちで注文して本当に藁だったらどうしようかと思ったけど(©奈良)、幸運にも無事に機能してくれた。

取り付けもボルトの固定位置が違ったので簡単なステーを自作した程度。あとはプラグコードが短かったのでNGKのプラグコードジョイントという製品で延長、ついでにプラグキャップもNGKに交換。

無事エンジンもかかったし、火花が強くなったせいかエンジンが温まった状態でも以前より遥にかかりやすくなった。低回転のアイドリングでもストールの心配が若干収まった気がする。さすが日本製、三菱マークとMADE IN JAPANの刻印が頼もしい。

イグニッションコイルとプラグキャップの変更だけでも、感じていた不具合の総和が4~50パーセントは抑えられた感じがする。こんなことを繰り返しながら、まずは少しずつ部品を交換していこうかと思う。
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by motorshack | 2011-11-13 17:48 | B40ES日記

Kickstarterさらにその後

入手したコッタータイプのクアドラントにはニードルローラーベアリングが圧入されていないので、ベアリングの入手にすったもんだしたが、根田さんの私物を分けてもらい、なんとかコンバートに成功。

一応エンジンがかかる状態にはなった。既知の細かい不具合も修正。

しかしアイドリングがイマイチ安定しない。最初はキャブのガタによる二次エアを疑ったが、エンジンをかけた状態でキャブにパーツクリーナーを吹きかけても特に怪しい変化は無い。

まぁ安定しないといっても多少高めにアイドリングを設定すれば乗れなくはないレベルの話なので、とりあえず自宅に乗って帰ることにする。

校長が試乗したところ「エンジンは調子いいんじゃないですか? でもこのポジションで400キロはきついなー」と言ってB40で「英車の集ひ」に行くという話はご破算に。まぁこのバイクの調子じゃ仕方ない。僕だってこのままじゃ行く気がしない。
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by motorshack | 2011-10-27 17:44 | B40ES日記

K&N HIGH-FLOW AIR FILTER

もともと付いてたエアフィルターがサイズが大きすぎてフレームと干渉して歪んでいたのと見た目も薄汚かったので換装。

このバイクにピッタリ合う小型のフィルターは僕の知る限りこのK&N製のものだけ。あとは金網のファンネルぐらいしか選択肢がない。ブランドイメージもかっこいいし、なんとなく憧れてたのでK&Nに。対米西海岸仕様の英車としても全然許せる範囲。

ファンネルもレーシーというかスパルタンな雰囲気があって憧れがあるので、気分で付け替えようかな。
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K&Nってフィルター部分が赤いので、最初から赤く染めてあるのかと思ってたら、届いたフィルターは白かった。

で、箱の中を見たら弁当のソースの袋みたいなオイルが同梱されていて、どうもこのオイルをフィルターに染み込ませて使うものらしい。

付けすぎると吸気に影響するそうなので、とりあえず半分ほど使用してみる。一滴たらすとどんどん広がっていくので、それでも十分赤くなった。
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by motorshack | 2011-10-22 17:44 | B40ES日記

Amal Monoblock

全開時からスロットルの戻りが渋かったのもあって、キャブもバラすことにした。まさか分解清掃して調子が悪くなることも無いだろうし(たぶん)。モノブロックは初めてなので一度分解してみたかったというのもある。

ボディを定盤に乗せてみると大きく歪んでいる。おそらくボディとマニホールドを止めるナットの締めすぎだろうか。スロットルバルブがボディに引っかかるのもそのせいかもしれない。
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分解だけでなく組み終わって判ったことだが、このキャブやっぱ相当歪んでいた。ある程度トルクをかけてジェットブロックを締め上げるとスロットルバルブの動きが急に渋くなる。乗ってる最中にスロットルがひっかかると危険極まりないので、出来る限り対策しておきたい。

あまりトルクをかけずに組めれば解決するのだが相手はキャブなので、今度はガソリン漏れ、二次エアの吸い込みに直結してしまう。

やれることは各部のすり合わせ、トルクのかかるあたり面の徹底的な面研しかない。

ギリギリのトルクであれば、スロットルは渋くならない、ガソリンは漏れてこないという状態になんとかこぎつけた。

しかしボディの歪みで内部にガタがあるのはどうにもならない。混合気の按配はエンジンをかけて判断するしかないのでキャブ整備はいったんここまで。
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by motorshack | 2011-10-05 17:33 | B40ES日記

Handlebar

左右幅がだいぶ短くなって若干低めのポジションに変化。

カタログに載ってたオリジナルの写真と同じく、レバーのホルダーがラグとして溶接されてるタイプを購入したんだけど、キチンとポジションを出すためには普通のバーのほうが良かったかもしれない。まぁ気に入らなければそのうち替えよう。
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by motorshack | 2011-10-02 17:30 | B40ES日記

Cables

元々ついてたハンドルがトラの西海岸仕様、TR6Cと同じウェスタンバーだったので、C15・B40オリジナルと思われるハンドルバーに換装。

レバーホルダーのラグ付きハンドルに換えたせいかレバーの遊び量が大幅に増えたので、ついでにケーブルを新品に交換。アウターチューブはそのままでケーブルとタイコだけの自作。
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by motorshack | 2011-10-02 17:28 | B40ES日記

Petrol Tap

ガソリンコックからのガソリン漏れが気になっていたので補修作業。

B40のコックはトラのようなレバー式ではなく、コルクをシール材とした原始的なプランジャータイプ。

最初コルクはワインの栓か何かで自作しようかと思っていたけど、新品のコルクを柴崎さんに分けてもらった。若干長さを調節してから半田で固定し無事装着完了。

コルクはガソリンや油に浸かっているうちはシール性能を維持してるけど、ガソリンを抜いたりして一度乾いてしまうと急激に劣化するらしい。
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ファイバーワッシャーは丁度いいサイズが無かったのでそのまま使い、ネジ部分に配管用テープを何度か巻いてシール性能を高めておく。
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by motorshack | 2011-10-02 16:58 | B40ES日記