B40を手に入れてからずっと不安定なアイドリングに悩まされてきた。 エンジンを始動してしばらく走ると妙にアイドリングが高くなってることに気がつく。そこでアイドリングを下げてしばらく走ると、今度はエンストしそうになるぐらいアイドリングが下がってることに気がつく。以下この繰り返し。 一口にアイドリングが不安定といっても考えられる原因はいっぱいあって、日々の整備を通じてそれなりの対策は施してきたつもり。「まー不調というほどでもないし走り出せば調子いいし旧車だしBSAだし(最後はここに落ち着く)こんなもんでしょ」という感じで放置気味だったんですが、ひさびさの対策として今回はガバナーのスプリング交換を試してみることにした。 ガバナーのスプリングがヘタるとアイドリング程度の回転数でもガバナーの羽が開いたり閉じたりするのでは? かつ羽が開いて進角が進むことで回転数が高くなり、さらに羽が閉じにくくなるのでは? みたいな状況は思考実験というか頭の中でなんとなくイメージしていたので。 せっかく交換するならと海外の掲示板などを調べてみると、当時のルーカス製エナジートランスファー車対応スプリング(品番は54415640)は6巻きと3巻きのペアで1セットだった(進角の上昇タイミングを曲線化するため?)とか、出回っているリプロの互換スプリングは新品でもまだ柔らかいとか、参考になりそうな情報もいくつか集まった。 特にスプリングは硬いに越したことない的な情報をやたらと目にしたので、今回は写真のようにガバナー本体のスプリングを引っ掛ける爪を反対側に少し倒し、最初からスプリングにテンションがかかる状態で装着してみた。 で、エンジン始動、試走。 お。アイドリングも安定してるっぽいし吹け上がりも悪くない。 一応改善されたのかな? もう少し進角を変えながら乗って様子を見てみます。 ちなみにエナジートランスファー点火のこのB40、進角が数度遅いとエンジンかからず、数度早いと今度は高回転で失火と、相当シビアなセッティングが必要なんですが、それがまた楽しいんですよね……。 ではまた。
#
by motorshack
| 2021-02-28 20:37
| B40ES日記
おひさしぶりです。 チェーンのオイルメンテ。皆さんのバイクライフ、旧車ライフでこの言葉はどの程度のウエイトを占めているだろうか。特別考えたことがないし、気にしたこともない。おそらくそんなところではないでしょうか。旧車ならオイラーからの給油によるノーメンテ車両もあると思うし、漏れたオイルだけで常にギトギトです、という車両もあるに違いない。 大きな声で人に言いにくい趣味、という自覚はあるのですが、自分はこのオイルメンテが大好きなのです。 ではさっそくメンテの話をしたいと思います。まずはセンタースタンドなりジャッキアップするなりして、後輪をフリーにする。最初に強く言っておきたいのですが、後輪は必ず上から下に回すこと。つまりチェーンは必ず後ろから前に送ること。これを守らないと最悪自分の指を失うことになります。写真参照。 次にオイルを差す前のクリーニング。自分は灯油をしみこませたウエスと歯ブラシを使って古いオイルを拭き取ってます。白いウエスにオイルが付かなくなるまで拭き上げるのが理想、とまでは言わないけれど、丁寧にやるに越したことはない。ついでにスプロケットも掃除しましょう。ローラーやスプロケットの摩耗も、ほとんどは汚れたオイルに混ざった埃や砂が原因だと思う。メンテの間隔についても、自分はロンツーに行ったら毎回やります。特に悪路を走ったあとは必ず。 ではどんなオイルを差すのか。一時期は変態チェーンマニア御用達の50mlで3000円オーバーという超高級チェーンオイルを注射器で差していたこともあるんですが、さすがにアホらしくなり、いまはスペクトロの85W-140を使っている。というか固めのギアオイル、デフオイルなら何でもいいと思います。ここは色や匂いの好みで選ぼう。スペクトロはグリスっぽい赤が良い。 ではチェーンのどこにオイルを差すのか。これも写真参照。●を付けたところ、アウタープレートとインナープレートの隙間、インナープレートとローラーの隙間に、ゴマ粒程度のオイルを一滴落とす。米粒ではありません。ゴマ粒です。きれいにクリーニングされたチェーンなら、ポタッとオイルが落ちた瞬間、隙間にスーッと吸い込まれます。 ポタッ、スーッ。ポタッ、スーッ。ポタッ、スーッ。 このリズムを110~120リンク×3滴ぶん繰り返す。108回もやれば心は既に無の境地。煩悩は消え去り、般若心経気分になれること間違い無し。 最近は注射器もやめてオイラーでテキトーに差してますが、余分なオイルも拭き取ってしまえば問題無し。タイヤを手で回して馴染ませながら(これは遠心力でオイルを外側に広げる効果を果たす)、プレートやローラーに付いた余分なオイルはウエスで拭き取っておこう。目に見える箇所に付いたオイルは基本的に埃や砂を吸着するだけの余分なオイルだと思います。 ということで、みなさんもチェーンメンテ沼にハマってみてください。 ついでに近況。 トラもBSAも好調です。トラは最近バッテリーを開放型からMF型に変えました。あんまり乗らなくても充電の手間いらずでなかなか良い。あとはトラヴィスでリアフェンダーを注文してVMSの作業台を借りて交換したり。細かいとこではセレクターカムプレートの板バネも交換して無事ギア抜けも解消したり。BSAもゴム系パーツの劣化交換ぐらいで手間いらず。 まぁ手間いらずの本当の理由は、2台とも全然乗ってないからなんですけどね。 ではまた。
#
by motorshack
| 2020-10-22 01:36
| その他
おひさしぶりです。盆と正月には更新しようと思いつつ、すでに暮れに向かっております。
先日(と言ってもだいぶ前)、B40が信号待ちのたびにストールするようになった。 最初はキャブを疑ったんだけど、よくよく調べてみると、ブレーキペダルを踏むと、何故かエンジンが止まることに気がつく。 このバイク、オルタネーターからは4本のリード線が出ていて、赤がアース、白黒が点火系、茶青が夜間灯火系、茶がストップランプと、点火系とストップランプは、独立して配線されている。 ためしに夜間灯火系の配線から、タコ足でストップランプに繋げてみると、ブレーキを踏んでもエンストしない(もちろん、ストップランプが点いた瞬間に、ヘッドランプが異様に暗くなるため、とても夜間は走れないが)。 ということで、配線の途中でショートしているわけではなく、ステーター本体の断線やショートがトラブルの原因ということは判った。 B40のステーターは、エナジートランスファー(以下ET)専用のもので、当然、当時モノの新品は手に入らないし、中古も滅多に出ない。 以前、運よくeBayで落札できたボロいスペアを持っていたので、機能するかどうかは判らないけど、ダメもとで交換するしか選択肢は無いなー、とか考えていたら、トラヴィスの栗崎さんから、「最近(と言ってもだいぶ前)、ET専用のステーターが再生産されはじめましたよ」という情報をいただいたので、さっそく注文してみた。 届いたステーターは、コイルにニスを塗っただけの古いタイプではなく、樹脂で固めたタイプで、なんか雰囲気的にも信頼できそう。 ただ、出ている配線が全部で5本。トラなど2気筒エンジンのためだろうか、点火系が1本多い。 BSAユニットシングルのET車両の配線図をいくつか調べると、ステーターから点火系が2本出ている車両もあり、その場合、余った1本は適当にアースしているようだ。 果たしてこれで機能するのだろうかと、最初はちょっと悩んだけど、とりあえず交換してみた。 で、無事に機能しました(ちなみに余った1本はちゃんとアースさせないとエンジンかかりません)。 やったーということで、今年の盆は南会津方面に、ダンヒルさん先導の、根田さんと3人で、一泊林道ツーリングに行ってきました。 ふたりとも速い速い。B40もノントラブルでがんばりました。 ではまた。 #
by motorshack
| 2014-11-20 00:11
| B40ES日記
あけましておめでとうございます。更新してなくてすいません。
TR6Cは無事に車検を通りました。結局交換したクランクケースに、職権打刻のプレートを貼ることになりましたが、これで次回以降は普通に継続手続きが出来るので安心です。 ということで年末の30日に恒例となりつつある、西伊豆のやぶ誠まで走り収めに行ってきた。 クラッチがやたら滑り始めたことと、オーバーホール後4000マイル走って終了間近のタイヤ以外は、大変調子が良かった。トラブル続きだった点火周りも、配線・パーツの見直しを繰り返したことで、なんとかボイヤーのままでも、安定して調子を取り戻せた気がする。 それとタイヤはもうTRIALS UNIVERSALやめます。K70に戻します。B40との相性は最高だけど、トラの車重では無理がありすぎた。春までにはクラッチと一緒に交換予定。 あと今回のツーリング中、何故か1度もギア抜けが発生しなかった。英国旧車の世界では自然治癒ぐらいあっても全然不思議ではないと思いますので、再度症状が発生しない限り、そっとして起こさず不問にしたいと思います。 以上。 #
by motorshack
| 2014-01-03 00:25
| TR6C日記
お久しぶりです。
前回更新してから何も無かったわけじゃなく、ツーリングもトラブルもいっぱいあって、書くこともいっぱいあります。 特にツーリングは、5泊6日総走行距離2232km、有料道路は一切使わず、目的地が全長50Kmのロングダートという、ほとんど「ちょっと人格改造セミナー行って滝に打たれてきます」と同インパクトのツーリングをやった。実際似たようなもんでしたが。 こちらはあまりの行程の長さに、普段のツーレポとは違うまとめ方をしない収まらないので、もうちょい時間ください。 ということで、ちょっと時間は前後しますが、今回はツーリングから帰ってきてからのトラブルの話。 ある日、調子良く走っていたら突然イグニッションを切ったように突然のストール。最初はバッテリー絡みかな?と思ったけど、灯火類は全部点いたまま。 プラグを外してキックしてみると、両気筒のプラグともまったく火花が飛ばない。 「こりゃボイヤーかコイルがパンクしたかな」 自分は未経験だったけど、まぁよく人から聞く話なので。 だとすれば路上でどうにかなる話ではないし、即レッカーを呼んでとりあえず自宅に運んでもらう。 ここからが長かった。 まずは替わりのブラックボックスやコイルを周囲からお借りして動作チェック。まだ火花は飛ばない。新旧パーツをいろいろ組み合わせて試しても駄目。もちろんバッテリーは充電済み、ビンビンの状態です。 じゃローターの回転を検知するピックアップか? だがこれを替えても駄目。となると配線絡みか、めんどくさいな……。 その後アースやギボシ、断線箇所など配線もすべてチェックしたが、全部空振り。 何コレ? ここまで約1ヶ月近くかかっている。しかも極まれにだが、時々思い出したように力強く火花が飛ぶという、バイクの神様にからかわれているのではないかと本気で思ってしまう、泣きたくなるような状況。 「すべてボイヤーが悪い。あいつさえいなければすべて丸く収まる」と、ポイント点火に変更という方針転換も考えたが、未解決案件として迷宮入りさせるのも敗北感いっぱいで寝つきが悪い。 自分の力だけではどうにもお手上げと判断、電気の見える男、榎本氏に泣きついたところ、テスター片手に我が家に登場。慎重に配線をトレースした結果、「イグニッションスイッチの抵抗値が怪しい」とのご意見。ためしに直結したところ、見事プラグから火花が飛んだ! どうもイグニッションスイッチ内部の接点が焼けて抵抗値が上昇(例の過充電が原因か?)、灯火類は問題なく点くけどボイヤーの最低作動電圧にはギリギリ足りていない、という状況だったっぽい(ちなみに過充電は、ツェナーダイオードからティンパニウムに交換することで現在対策済み)。 たぶん僕一人だったら、イグニッションスイッチにたどり着くまでパーツ交換でいくら散財したかわからない。本当にありがとうございました!>榎本さん その後トラヴィスから栄光のルーカス製イグニッションスイッチとキーシリンダーを購入、換装。無事に解決、修理完了となった。 ただ冷静に考えると、作業コストほぼゼロで出来る直結を、なぜ思いつき実行しなかったのか。考えることを放棄して、もう打つ手は無いと早々に判断した自分が恥ずかしい。心の奥を掘り下げると、榎本さんに期待していたのは、「これはブラックボックスが運悪く連続でハズれたんでしょう。新しいの買えば全部解決しますよ」という一言だった気もする。 ということで今回は、自分の「諦めず徹底的に考える」レベルの低さも痛感した一件でした。 #
by motorshack
| 2013-10-05 15:42
| TR6C日記
|
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
2021年 02月 2020年 10月 2014年 11月 2014年 01月 2013年 10月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 01月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 外部リンク
その他のジャンル
|
ファン申請 |
||